条文.jp
出力日:
減価償却の計算
減価償却の計算(定額法・定率法)
法人の各事業年度の償却限度額を、定額法・定率法それぞれの条文どおりに計算します。償却率・改定償却率・保証率は耐用年数省令の別表第八〜第十から引き、事業年度が1年に満たない場合の按分と、事業年度の中途で事業の用に供した場合の月数按分にも対応しています。入力値は送信されません。
未入力: 資産の区分、取得日、償却の方法、耐用年数、取得価額、事業年度開始日、事業年度終了日
すべて入力すると結果が表示されます。
入力内容
| 資産の区分 | 未入力 |
|---|---|
| 取得日 | 未入力 |
| 償却の方法 | 未入力 |
| 耐用年数 | 未入力 |
| 取得価額 | 未入力 |
| 事業年度開始日 | 未入力 |
| 事業年度終了日 | 未入力 |
| 事業の用に供した日 | 未入力 |
| 当期首の帳簿価額 | 未入力 |
根拠条文・計算式
- 法人税法 第31条第1項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034#Mp-Pa_2-Ch_1-Se_1-Ss_4-Di_1-At_31
- 法人税法施行令 第48条の2 — https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000097#Mp-Pa_2-Ch_1-Se_1-Ss_2-Di_5-At_48_2
- 法人税法施行令 第59条 — https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000097#Mp-Pa_2-Ch_1-Se_1-Ss_2-Di_7-At_59
- 法人税法施行令 第61条第1項第2号 — https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000097#Mp-Pa_2-Ch_1-Se_1-Ss_2-Di_7-At_61
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令 第5条 — https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50000040015#Mp-At_5
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令 第1条 — https://laws.e-gov.go.jp/law/340M50000040015#Mp-At_1
計算式・判定基準
定額法の償却限度額 = 取得価額 × 定額法の償却率(別表第八) 定率法の償却限度額 = 当期首の帳簿価額 × 定率法の償却率(別表第九・第十)。調整前償却額が償却保証額(取得価額 × 保証率)に満たない事業年度からは、改定取得価額 × 改定償却率 事業年度が1年に満たないとき = 償却率に事業年度の月数を乗じて12で除す(省令5条2項)。事業年度の中途で事業の用に供したとき = 上の金額 ÷ 事業年度の月数 × 供用の日から事業年度終了の日までの月数(施行令59条) 償却累積額の上限 = 取得価額 − 1円(施行令61条1項2号イ)
- 最終確認日:
- 2026年8月14日
改正履歴(4件)
- 2007年4月1日: 平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産に定額法・定率法が置かれ、残存価額(取得価額の10%)と償却可能限度額(同95%)が廃止された。償却累積額の上限は取得価額から1円を控除した金額になった(施行令48条の2・61条1項2号)
- 2012年4月1日: 平成24年4月1日以後に取得をされた減価償却資産の定率法の償却率が、定額法の償却率の2.5倍から2倍に改められた(施行令48条の2第1項1号イ(2)の括弧書き。表は別表第九から別表第十に分かれた)
- 2016年4月1日: 平成28年4月1日以後に取得をされた建物附属設備・構築物から定率法が外され、定額法だけになった(施行令48条の2第1項1号イ。建物はこれより前から定額法だけ)
- 2026年5月22日: 耐用年数省令が令和8年財務省令第29号で改正された(別表第八〜第十の償却率・改定償却率・保証率に変更は無いことを、改正後の条文で確認済み)
出典: e-Gov法令検索(デジタル庁)の法令データを加工して作成
本ツールは、法令の条文に基づく計算・照合の結果を情報として提供するものであり、法的助言では ありません。個別の事案への当てはめや最終的な判断は、弁護士・社会保険労務士・税理士等の 専門家にご確認ください。掲載内容は最終確認日時点の法令に基づいており、その後の改正が反映 されていない場合があります。
償却限度額と、損金の額に算入される金額は別のもの
法人税法31条1項は、減価償却資産の償却費として損金の額に算入する金額を「その内国法人が当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額のうち、…政令で定めるところにより計算した金額(=償却限度額)に達するまでの金額」と定めています。
つまり条文が上限として置いているのが償却限度額で、実際に損金の額に算入されるのは、その範囲内で会社が費用として経理した額です。本ツールが計算するのは前者の上限だけで、損金経理をいくらしたかは扱っていません。
選定できる償却の方法は、資産の区分と取得日で決まる
法人税法施行令48条の2第1項は、平成19年4月1日以後に取得をされた減価償却資産について、区分ごとに選べる償却の方法を定めています。建物だけが最初から定額法に限られている点と、建物附属設備・構築物が途中から定額法だけになった点が、実務でいちばん取り違えられます。
| 資産の区分 | 取得日 | 選定できる償却の方法 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 建物 | 問わない | 定額法 | 48条の2第1項1号ロ |
| 建物附属設備・構築物 | 平成28年4月1日より前 | 定額法・定率法 | 同号イ |
| 建物附属設備・構築物 | 平成28年4月1日以後 | 定額法 | 同号ロ |
| 機械及び装置・船舶・航空機・車両運搬具・工具器具備品 | 問わない | 定額法・定率法 | 同項2号 |
条文の作りは少し変わっていて、1号イが「平成28年4月1日の前日までに取得をされた減価償却資産(建物を除く。)」に定額法と定率法の両方を置き、そこから外れるものを1号ロがまとめて定額法にしています。建物が定額法だけになるのは、この括弧書きによるものです。
償却の方法は資産の区分ごとに選定して納税地の所轄税務署長に届け出るものとされており(同令51条)、選定しなかった場合の法定償却方法は定率法です(同令53条2号イ)。ただし上の表で定額法だけが置かれた区分には、選ぶ余地がありません。
定額法 — 取得価額に毎年同じ率を掛ける
定額法は「取得価額にその償却費が毎年同一となるように…償却率を乗じて計算した金額」と定義されています(48条の2第1項1号イ(1))。掛ける相手は帳簿価額ではなく取得価額なので、償却費は毎年同じ額になります。
償却率は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令5条1項1号が別表第八で定めています。おおむね「1 ÷ 耐用年数」を小数第3位まで切り上げた値です。
定率法 — 逓減させ、途中で均等償却に切り替える
定率法は、取得価額から既償却額を控除した金額(=期首の帳簿価額)に償却率を乗じます(同号イ(2))。掛ける相手が毎年減っていくため償却費も逓減し、そのままでは耐用年数の期間内に償却が終わりません。
そこで条文は、帳簿価額に償却率を乗じた金額(実務でいう調整前償却額)が償却保証額に満たなくなった事業年度から、改定取得価額 × 改定償却率による均等償却に切り替えると定めています。
- 償却保証額 = 取得価額 × 保証率(48条の2第5項1号)
- 改定取得価額 = 切り替わった最初の事業年度の期首の帳簿価額。その状態が続く間はこの額に据え置く(同項2号イ・ロ)
据え置きの部分は見落とされやすく、2期目以降も期首の帳簿価額を使ってしまうと償却費が毎年小さくなって計算が合いません。本ツールでは「改定取得価額」欄にその額を入力すると、2期目以降も同じ金額になります。
償却率は取得日で2つの表に分かれます。平成24年4月1日以後の取得は定額法の償却率の2倍(省令 別表第十)、それより前の取得は2.5倍(別表第九)です。同じ耐用年数でも表が違えば率が違うので、古い資産を計算するときは取得日を確認します。
月数で按分する規定は2つあり、別々に効く
条文は性質の違う2つの按分を置いています。両方が同時に当たることもあります(設立事業年度に資産を取得した場合など)。
| 場面 | 何を按分するか | 根拠 |
|---|---|---|
| 事業年度が1年に満たない | 償却率に「事業年度の月数 ÷ 12」を乗じる | 省令5条2項 |
| 事業年度の中途で事業の用に供した | 償却限度額を事業年度の月数で除し、供用の日から事業年度終了の日までの月数を乗じる | 施行令59条1項1号 |
どちらの月数も「暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする」と定められています(省令5条5項・施行令59条2項)。8月20日から3月31日までなら7か月12日で、切り上げて8か月です。
基準になるのは取得の日ではなく事業の用に供した日である点にも注意します。取得しただけで使っていない資産は、その事業年度の償却の対象になりません。
なお、改定償却率に移っているかどうかの判定は、按分する前の別表の償却率で行います。省令5条4項が判定式の率を「別表第九又は別表第十に定める定率法の償却率」と名指ししているためで、按分後の額で判定すると短い事業年度で本来より早く切り替わってしまいます。
償却できるのは取得価額から1円を引いた額まで
法人税法施行令61条1項2号イは、償却累積額と当期の償却限度額の合計が「その取得価額から一円を控除した金額」を超える場合、その超える部分を控除した金額を償却限度額とすると定めています。帳簿に1円(備忘価額)が残るのはこの条文によるものです。
平成19年4月1日より前に取得した資産には、残存価額(取得価額の10%)と償却可能限度額(同95%)という別の仕組みが置かれていました。本ツールが扱うのはこの改正より後の資産だけです。
金額の端数処理に、条文の定めは無い
法人税法31条にも、施行令48条の2・59条・61条にも、償却限度額の円未満をどう扱うかの定めは置かれていません(2026年8月14日に条文で確認しています)。本ツールは画面に出した金額から検算できることを優先し、調整前償却額・償却保証額・償却限度額のそれぞれで円未満を切り捨てています。別の位置で丸める処理も条文に反するものではないため、申告にあたっては貴社の処理と突き合わせてご確認ください。
本ツールが扱っていない範囲
| 扱わないもの | 理由 |
|---|---|
| 耐用年数そのもの | 省令の別表第一〜第六は数千行あり、維持できる形で持てないため入力していただく形にしています |
| 旧定額法・旧定率法 | 平成19年4月1日より前に取得した資産の方法(施行令48条・省令4条・別表第七)で、償却率の表も按分の規定も別に置かれています |
| 生産高比例法・生産高等比例法・リース期間定額法 | 鉱業用減価償却資産・鉱業権・リース資産の区分(施行令48条の2第1項3号〜6号) |
| 個人(所得税) | 償却の方法は所得税法施行令120条の2、月数按分は同令132条にあり、法人税とは別の政令です |
| 少額減価償却資産・一括償却資産の特例 | 施行令133条・133条の2、租税特別措置法67条の5。取得価額の全額や3年均等での損金算入を選ぶ場面で、本ツールの計算とは別の枠組みです |
| 資本的支出・中古資産・耐用年数の短縮・増加償却・特別償却 | 施行令55条・省令3条・施行令57条・同60条・租税特別措置法。いずれも取得価額や耐用年数そのものを組み替える規定です |
耐用年数は、省令の別表第一〜第六を e-Gov 法令検索の減価償却資産の耐用年数等に関する省令 で確認できます。
このツールは役に立ちましたか?
よくある質問
定率法と定額法のどちらで計算しますか?
法人税法施行令51条は、償却の方法を資産の区分ごとに選定して納税地の所轄税務署長に届け出るものと定めています。選定しなかった場合の法定償却方法は同令53条2号イにより定率法です。ただし建物は同令48条の2第1項1号イが括弧書きで除いているため定額法だけ、建物附属設備・構築物も平成28年4月1日以後に取得をされたものは定額法だけになります。本ツールは、選べない組み合わせを入力すると計算結果に代えてその旨を表示します。
償却率はどこに定められていますか?
減価償却資産の耐用年数等に関する省令5条1項が、耐用年数に応じた償却率・改定償却率・保証率を別表で定めています。定額法は別表第八、定率法は取得日により別表第九(平成19年4月1日から平成24年4月1日の前日までの取得)と別表第十(平成24年4月1日以後の取得)に分かれます。いずれの表も耐用年数2年から100年までの行で構成されており、本ツールはこの3表を条文から取り込んでいます。耐用年数そのものを定める別表第一〜第六は本ツールに含めていないため、耐用年数は入力していただく形にしています。
定率法の「償却保証額」と「改定取得価額」は何ですか?
法人税法施行令48条の2第5項1号は償却保証額を「取得価額に耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額」と定めています。定率法は帳簿価額に一定の率を乗じるため償却費が毎年逓減し、そのままでは耐用年数の期間内に償却が終わりません。そこで同条1項1号イ(2)は、帳簿価額に償却率を乗じた金額(調整前償却額)が償却保証額に満たなくなった事業年度から、改定取得価額に改定償却率を乗じる形に切り替えると定めています。改定取得価額は同条5項2号で定義され、その状態が続く間は最も古い事業年度の額に据え置かれます。
事業年度の中途で取得した資産はどう計算しますか?
法人税法施行令59条1項1号が、事業年度の中途でその事業の用に供した資産の償却限度額を「事業年度の償却限度額に相当する金額を当該事業年度の月数で除し、これにその事業の用に供した日から当該事業年度終了の日までの期間の月数を乗じて計算した金額」と定めています。同条2項により、この月数は暦に従って計算し、1月に満たない端数は1月とします。基準になるのは取得の日ではなく事業の用に供した日です。
事業年度が1年に満たない場合はどうなりますか?
減価償却資産の耐用年数等に関する省令5条2項が、法人の事業年度が1年に満たない場合の償却率を「別表に定める償却率に当該事業年度の月数を乗じてこれを12で除したもの」と定めています。按分されるのは償却率と、同条4項の読み替えによる改定償却率だけで、保証率は按分しません。これは施行令59条の月数按分とは別の規定で、設立事業年度で期中に取得した資産のように両方が重なることもあります。
金額の端数はどう処理していますか?
償却限度額の端数処理は、法人税法31条にも施行令48条の2・59条・61条にも定めが置かれていません(2026年8月14日に条文で確認しました)。本ツールは画面に出した金額から検算できることを優先し、調整前償却額・償却保証額・償却限度額のそれぞれで円未満を切り捨てています。別の位置で丸める処理でも条文に反するものではないため、申告にあたっては貴社の処理と突き合わせてご確認ください。
関連ツール
税務・経理
交際費の損金算入限度額
交際費等の損金不算入額を、中小法人の定額控除限度額(800万円の月数按分)と接待飲食費の50%基準の両方で計算します。租税特別措置法61条の4の条文と適用期限つき。入力値は送信されません。
税務・経理
電子帳簿保存法 要件の照合
電子帳簿保存法の保存要件を、電子帳簿等保存(法4条1項・2項)・スキャナ保存(法4条3項)・電子取引データ保存(法7条)の3区分に分けて、施行規則の条文と照合します。検索要件の緩和や猶予措置の位置づけも解説。入力値は送信されません。
契約・文書
収入印紙・印紙税額の判定
不動産売買・工事請負・金銭消費貸借などの契約書や領収書に貼る収入印紙の額を、印紙税法別表第一と租税特別措置法91条の軽減税率にもとづいて判定します。記載金額なし・5万円未満の領収書・電子契約の扱いにも対応。入力値は送信されません。
変換・計算
営業日計算(土日祝・年末年始)
起算日から◯営業日後の期限日や、2つの日付の間の営業日数を、土日・国民の祝日・12月29日〜1月3日を除いて計算します。除く休日の範囲は行政機関の休日に関する法律の条文どおりに選べます。入力値は送信されません。
条文.jp — https://jobun.jp
このツールの安全性について: https://jobun.jp/security
入力値・計算結果はサーバーに送信されず、すべてブラウザ内で処理されています。