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カスハラ対策 措置義務の照合
カスハラ対策の措置義務の照合
顧客等の言動から労働者を守るために事業主が講ずべき措置を、労働施策総合推進法33条・34条(2026年10月1日施行)の条文と照合します。方針の明確化・相談体制・事後対応・抑止措置・不利益取扱いの禁止など8項目。入力値は送信されません。
根拠条文・計算式
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第33条(顧客等の言動に関する雇用管理上の措置等。2026年10月1日施行) — https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132/20261001_507AC0000000063#Mp-Ch_10-At_33
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第34条(国・事業主・労働者及び顧客等の責務。2026年10月1日施行) — https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132/20261001_507AC0000000063#Mp-Ch_10-At_34
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第42条(助言、指導及び勧告並びに公表。2026年10月1日施行) — https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132/20261001_507AC0000000063#Mp-Ch_12-At_42
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第48条(適用除外。2026年10月1日施行) — https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132/20261001_507AC0000000063#Mp-Ch_12-At_48
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第30条の2(現行のパワーハラスメントの雇用管理上の措置等) — https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132#Mp-Ch_10-At_30_2
計算式・判定基準
照合の基準: 労働施策総合推進法 第33条(職場における顧客等の言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等) 2025年6月11日 令和7年法律第63号 公布 → 2026年10月1日 施行(最終確認日 2026年8月12日の時点では施行前) 対象: 労働者を雇用する事業主。企業規模・業種による区別や、中小事業主の経過措置は置かれていません 措置義務: 第33条第1項(相談体制の整備・抑止のための措置ほか)・第33条第2項(不利益な取扱いの禁止)/努力義務: 第33条第3項・第34条第2項
- 最終確認日:
- 2026年8月12日
改正履歴(5件)
- 2019年6月5日: 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第24号)公布。第30条の2としてパワーハラスメントの雇用管理上の措置等を新設した
- 2020年6月1日: 第30条の2が施行。中小事業主については同改正法の附則第3条により、当分の間「講じるように努めなければならない」と読み替えられた
- 2025年6月11日: 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)公布。職場における顧客等の言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等(改正後の第33条)と責務規定(同第34条)を新設した
- 2026年4月1日: 同改正法のうち第1条の規定が施行され、治療と就業の両立支援(第27条の3)等が加わった。第10章の条番号はこの時点では変わっていない(パワーハラスメントは第30条の2のまま)
- 2026年10月1日: 同改正法のうち第2条の規定の施行日。第10章が組み替えられ、パワーハラスメントは第31条、顧客等の言動に関する措置は第33条、責務規定は第34条となる予定(2026年8月12日時点では施行前)
出典: e-Gov法令検索(デジタル庁)の法令データを加工して作成
本ツールは、法令の条文に基づく計算・照合の結果を情報として提供するものであり、法的助言では ありません。個別の事案への当てはめや最終的な判断は、弁護士・社会保険労務士・税理士等の 専門家にご確認ください。掲載内容は最終確認日時点の法令に基づいており、その後の改正が反映 されていない場合があります。
カスタマーハラスメント対策は「事業主が講ずべき措置」になった
2025年6月11日に「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第63号)が公布され、職場における顧客等の言動に起因する問題について、事業主が雇用管理上必要な措置を講ずることが定められました。同改正法の附則1条は施行日を「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日」とし、厚生労働省の資料はこれを令和8年(2026年)10月1日としています。
この記事の時点(2026年8月12日)では、まだ施行前です。現在効力を持っているのは、パワーハラスメントについての労働施策総合推進法30条の2であり、顧客等の言動を対象とする条文は e-Gov 法令検索でも「未施行」として時点を指定して表示される状態にあります。本ツールの条文リンクも、その時点指定のページを指しています。
| 時期 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 2020年6月1日〜 | パワーハラスメントの雇用管理上の措置が事業主の義務に(中小事業主は当分の間) | 労働施策総合推進法30条の2 |
| 2025年6月11日 | 顧客等の言動に関する措置と責務規定を新設する改正法が公布 | 令和7年法律第63号 |
| 2026年4月1日〜 | 同改正法の第1条の規定が施行(治療と就業の両立支援など) | 同改正法 附則1条2号 |
| 2026年10月1日〜(施行前) | 顧客等の言動に関する措置が事業主の義務に。第10章の条番号も組み替わる | 同改正法 附則1条本文 |
施行日に条番号が動く — 30条の2 は 31条に、カスハラは 33条に
見落とされやすいのが、この改正で第10章の条番号がまとめて動く点です。改正前の条文だけを読んで社内資料を作ると、施行日を境に参照先がずれます。
| 事項 | 現行(2026年8月時点) | 2026年10月1日から |
|---|---|---|
| パワーハラスメントの雇用管理上の措置等 | 30条の2 | 31条 |
| パワーハラスメントに関する国・事業主・労働者の責務 | 30条の3 | 32条 |
| 顧客等の言動に関する雇用管理上の措置等 | (新設) | 33条 |
| 顧客等の言動に関する国・事業主・労働者・顧客等の責務 | (新設) | 34条 |
| 紛争の解決の促進に関する特例 | 30条の4 | 35条 |
章の見出しも「職場における優越的な関係を背景とした言動等に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等」に改められ、パワーハラスメントとカスタマーハラスメントの両方を収める形になります。
条文が明示する2つの措置と、指針が並べる10の措置
33条1項は、講ずべき措置として次の2つを条文に書き出しています。
- 労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 就業環境を害する顧客等の言動への対応の実効性を確保するために必要な、その抑止のための措置
残りは「その他の雇用管理上必要な措置」とされ、中身は33条4項に基づく指針が定めます。厚生労働省の指針「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)は、次の5つの柱に10の措置を並べています。
| 柱 | 措置の内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 方針等の明確化と周知・啓発 | ①毅然とした態度で対応し労働者を保護する旨の方針の明確化と周知・啓発 ②カスハラの内容とあらかじめ定めた対処の内容の周知 | 33条1項/指針 |
| 相談体制の整備 | ③相談窓口をあらかじめ定めて周知 ④窓口担当者が適切に対応できるようにする | 33条1項(明示) |
| 事後の迅速かつ適切な対応 | ⑤事実関係の迅速かつ正確な確認 ⑥被害を受けた労働者への配慮のための措置 ⑦再発の防止に向けた措置 | 33条1項/指針 |
| 抑止のための措置 | ⑧特に悪質と考えられる事案への対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、対処を行える体制を整える | 33条1項(明示) |
| 併せて講ずべき措置 | ⑨相談者等のプライバシーを保護する措置と周知 ⑩相談等を理由として不利益な取扱いをしない旨の定めと周知 | 33条1項・2項/指針 |
⑧の抑止のための措置は、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントの指針には置かれていない、カスタマーハラスメント固有の項目です。相手が社外にいるため、社内の周知だけでは対応が完結しないという構造の違いが、そのまま条文と指針に表れています。
指針は⑧の「対処の内容」の例として、管理監督者に指示を仰ぐこと、可能な限り労働者を一人で対応させないこと、やり取りを録音・録画すること(個人情報の保護に関する法律等を遵守しつつ行うこと)、十分な説明の後もなお要求が続く場合に一定の時間の経過をもって退店を求めたり電話を切ったりすること、犯罪に当たり得る言動は警察へ通報することなどを挙げています。
このほか、33条3項は他の事業主から措置の実施に関し協力を求められた場合に応ずる努力義務を、34条2項は労働者の関心と理解を深める研修その他の配慮の努力義務を定めています。本ツールでは、この2項目は義務としての照合を行わず、取組の有無だけを並べています。
「顧客等」と「社会通念上許容される範囲を超えた」の読み方
条文の「顧客等」は、顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者と定められています。指針は、今後商品の購入やサービスの利用をする可能性がある潜在的な顧客、今後取引する可能性のある者、駅・空港・病院・学校・福祉施設・公共施設等の利用者、取引先の担当者、施設やサービスの利用者の家族、施設の近隣住民などを例として挙げており、範囲は接客の現場に限られません。対面のものだけでなく、電話やSNS等のインターネット上で行われるものも含まれるとされています。
もう一方の要素である「その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたもの」について、指針は言動の内容(要求に理由がない、契約等で想定するサービスを著しく超える、対応が著しく困難または不可能、不当な損害賠償請求など)と手段・態様(身体的な攻撃、脅迫や侮辱等の精神的な攻撃、威圧的な言動、継続的・執拗な言動、不退去や居座りなどの拘束的な言動)の両面から総合的に判断するとしています。一方のみが範囲を超える場合もこれに当たり得るとされ、また顧客等からの苦情のすべてがカスタマーハラスメントに当たるわけではなく、社会通念上許容される範囲で行われたものは正当な申入れであることも、あわせて示されています。
対策を講じる際は、消費者の権利や、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が定める不当な差別的取扱いの禁止・合理的配慮の提供にも留意することが求められています。障害のある方が合理的配慮を求めること自体は、カスタマーハラスメントには当たりません。
措置を講じないままにした場合にたどる道筋
労働施策総合推進法の罰則(改正後の49条から51条まで)が挙げる対象条文に、33条は含まれていません。代わりに置かれているのが、行政による勧告と公表、そして紛争解決の枠組みです。
- 42条1項: 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して助言・指導・勧告をすることができる
- 42条2項: 33条1項・2項について勧告をした場合において、勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる
- 35条〜38条: この事項をめぐる労働者と事業主との紛争は、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の一般の枠組みではなく、都道府県労働局長による助言・指導・勧告および調停によって扱われる
- 36条2項: 労働者が紛争解決の援助を求めたことを理由とする解雇その他不利益な取扱いは禁じられている
33条2項が定める不利益な取扱いの禁止は、相談を行った労働者だけでなく、相談への対応に協力して事実を述べた労働者にも及びます。事実確認の聞き取りに応じた同僚が対象に含まれる点は、社内規程を書くときに落としやすいところです。
使うときの注意
- 入力値はブラウザの外に出ません。回答はサーバーへ送信されません。
- 本ツールが示すのは、条文と指針が挙げる措置と、入力内容との照合結果です。自社の運用が十分かどうかの評価は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や社会保険労務士など専門家へのご相談をおすすめします。
- 2026年10月1日という施行日は、政令および厚生労働省の周知資料に基づくものです。準備を始める前に、最新の公表資料でのご確認が確実です。
- 一般職の国家公務員、裁判所職員臨時措置法の適用を受ける裁判所職員、国会職員法1条に規定する国会職員、自衛隊法2条5項に規定する隊員については、31条から34条までの規定を適用しないと定められているため(48条)、本ツールの照合の範囲に含めていません。
- 船員については、47条1項が船員への適用を除く範囲から第10章を外しているため、33条・34条が適用されます。同条2項により、指針を定める者や助言・指導・勧告を行う者は国土交通大臣に、紛争解決の援助を行う者は地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に読み替えられます。
このツールは役に立ちましたか?
よくある質問
カスタマーハラスメント対策の措置義務は、いつから始まりますか?
2025年6月11日に公布された「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第63号)により、顧客等の言動に関する雇用管理上の措置が事業主の義務として定められました。同改正法の附則第1条は施行日を「公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日」とし、厚生労働省の資料はこれを令和8年(2026年)10月1日としています。2026年8月12日の時点では施行前で、e-Gov法令検索でも未施行の条文として時点を指定して表示されます。
中小企業にも同時に適用されますか?
条文には企業規模や業種による区別が置かれていません。パワーハラスメントのときは、令和元年法律第24号の附則第3条により中小事業主が当分の間「講じるように努めなければならない」と読み替えられ、義務の開始が後ろにずれました。今回の改正法には、これに当たる中小事業主の経過措置が置かれていません。
具体的に何を整えることが求められていますか?
第33条第1項は「相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」と「顧客等の言動への対応の実効性を確保するために必要な抑止のための措置」を条文に明示し、そのほかを「その他の雇用管理上必要な措置」としています。その中身は同条第4項に基づく「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)が定めており、方針等の明確化と周知・啓発、相談体制の整備、事後の迅速かつ適切な対応、抑止のための措置、プライバシーの保護と不利益な取扱いをしない旨の周知の5つの柱に分かれています。
措置を講じていない場合、罰則はありますか?
労働施策総合推進法の罰則(改正後の第49条から第51条まで)が挙げる対象条文に、第33条は含まれていません。もっとも同法第42条第2項は、第33条第1項及び第2項について厚生労働大臣が勧告をした場合において、その勧告を受けた者が従わなかったときは、その旨を公表することができると定めています。また第35条以下により、この事項をめぐる労働者と事業主との紛争は、都道府県労働局長の助言・指導・勧告や調停の対象となります。
「顧客等」にはどこまで含まれますか?
条文は「顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者」と定めています。厚生労働省の指針は、今後商品の購入やサービスの利用をする可能性がある潜在的な顧客、今後取引する可能性のある者、駅・空港・病院・学校・福祉施設・公共施設等の利用者、取引先の担当者、施設やサービスの利用者の家族、施設の近隣住民などを例として挙げています。対面のものだけでなく、電話やSNS等のインターネット上で行われるものも含まれるとされています。
船員を雇用している場合はどうなりますか?
労働施策総合推進法第47条第1項は船員への適用を広く除いていますが、その除外の対象から第10章(第38条及び第39条を除く。)を外しているため、顧客等の言動に関する第33条・第34条は船員についても適用されます。同条第2項により、指針を定める者や助言・指導・勧告を行う者は「厚生労働大臣」から「国土交通大臣」に、紛争の解決の援助を行う者は「都道府県労働局長」から「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」に読み替えられます。
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条文.jp — https://jobun.jp
このツールの安全性について: https://jobun.jp/security
入力値・計算結果はサーバーに送信されず、すべてブラウザ内で処理されています。