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出力日:
出張日当の非課税
出張日当の非課税
出張日当・出張手当や旅費の支給について、所得税法9条1項4号の「その旅行について通常必要であると認められるもの」という要件と、所得税基本通達9-3が挙げる勘案事項(支給基準の均衡・同業種同規模の他社との比較)を、入力した支給の実情と条文つきで照合します。入力値は送信されません。
根拠条文・計算式
- 所得税法 第9条第1項第4号(非課税所得・旅行に必要な支出に充てるため支給される金品) — https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033#Mp-Pa_1-Ch_3-At_9
- 所得税法 第28条第1項(給与所得) — https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033#Mp-Pa_2-Ch_2-Se_2-Ss_1-At_28
- 所得税法 第183条第1項(給与所得に係る源泉徴収義務) — https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033#Mp-Pa_4-Ch_2-Se_1-At_183
- 所得税法施行令 第20条の2(非課税とされる通勤手当。第9条第1項第5号の委任先) — https://laws.e-gov.go.jp/law/340CO0000000096#Mp-Pa_1-Ch_2-Se_2-At_20_2
計算式・判定基準
条文(所得税法9条1項4号)が定める範囲は「その旅行について通常必要であると認められるもの」で、金額のしきい値はない 判定に当たり勘案する事項(所得税基本通達9-3(非課税とされる旅費の範囲)。条文そのものではない): (1) 支給額が、役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものか (2) 支給額が、同業種・同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものか
- 最終確認日:
- 2026年8月13日
改正履歴(3件)
- 2011年6月30日: 平成23年課個2-33ほかにより所得税基本通達9-3が改正され、勘案事項(1)の文言が現行の「役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準」となった。あわせて通勤手当の9-6の2が削除された
- 2022年12月1日: 令和4年課個2-13ほかにより所得税基本通達9-4(非課税とされる旅費の範囲を超えるものの所得区分)が改正された。第4号の条文そのものはこの改正で動いていない
- 2025年4月1日: 令和6年法律第22号による改正後の国家公務員等の旅費に関する法律が施行され、同法から日当の定額を定める規定がなくなり、旅費は「旅行に要する実費を弁償するためのもの」として計算されることとなった(同法第6条)。民間の日当の相場の根拠として引かれてきた国家公務員の日当額は、現行法にはない
出典: e-Gov法令検索(デジタル庁)の法令データを加工して作成
本ツールは、法令の条文に基づく計算・照合の結果を情報として提供するものであり、法的助言では ありません。個別の事案への当てはめや最終的な判断は、弁護士・社会保険労務士・税理士等の 専門家にご確認ください。掲載内容は最終確認日時点の法令に基づいており、その後の改正が反映 されていない場合があります。
条文が定めているのは「金額」ではなく「範囲」
所得税法9条1項4号は、非課税所得として次のものを挙げています。
給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの
読み取れる要素は3つです。
- 場面 — 出張/転任に伴う転居/就職・退職(死亡による退職の遺族を含む)に伴う転居
- 性質 — その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品であること
- 範囲 — その旅行について通常必要であると認められるものであること
3つ目に金額は書かれていません。「1日◯円まで」という上限も、役職ごとの区分も条文にはなく、政令に委ねる文言もありません。
金額のしきい値がない理由は、隣の号と比べると分かる
同じ9条1項の第5号(通勤手当)は、非課税とされる部分をこう書いています。
…一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの
この委任を受けて所得税法施行令20条の2が、交通機関を利用する場合の運賃等の額(月額の上限つき)と、交通用具を使用する場合の片道の距離の区分ごとの月額を、具体的な金額で定めています。
| 第4号(旅費・出張日当) | 第5号(通勤手当) | |
|---|---|---|
| 政令への委任 | なし | あり(「政令で定めるもの」) |
| 金額のしきい値 | 条文にも政令にもない | 施行令20条の2に距離・運賃の区分ごとの月額 |
| 判定の手がかり | 所得税基本通達9-3(通達) | 施行令の金額表 |
第4号に金額が出てこないのは、資料が見つからないからではなく、条文がその形で書かれていないためです。本ツールが金額を入力する欄を持たず、「いくらまで」を数値で返さないのはこの構造によります。
金額に代わる手がかりは通達にある(条文ではない)
国税庁「所得税基本通達」9-3(非課税とされる旅費の範囲)が、第4号の「通常必要であると認められるもの」の中身を次のように置いています。
- 非課税とされる金品は、その旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に充てるものとして支給される金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内のもの
- その範囲内かどうかの判定に当たっては、次の2つを勘案する
- (1) その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか
- (2) その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか
通達は条文ではありません。行政庁の内部的な法令解釈であり、法令そのものとは性質が違います。本ツールの照合項目に付いている条文リンクは、いずれも e-Gov 法令検索の所得税法9条1項4号を指しており、通達由来の項目についてはその旨を項目の要求文と注記に書いています。同じ扱いを、消費者庁の価格表示ガイドラインを扱う二重価格表示の照合ツール、内国郵便約款を扱う内容証明のツールでも取っています。
通達は国税庁のサイトで全文が公開されています。
範囲を超える部分の扱い(通達9-4)
通達9-4は、通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲の金額を超える部分について、旅行の区分ごとに所得区分を定めています。
| 旅行の区分 | 超える部分の所得区分 |
|---|---|
| 勤務する場所を離れて職務を遂行するためにした旅行(出張) | 給与所得 |
| 転任に伴う転居のためにした旅行 | 給与所得 |
| 就職に伴う転居のためにした旅行 | 雑所得 |
| 退職に伴う転居のためにした旅行 | 退職所得 |
| 死亡による退職に伴う遺族の転居のためにした旅行 | 退職所得(所得税法9条1項17号により非課税) |
給与所得の収入金額に算入される部分は、所得税法28条1項の給与等に当たり、同法183条1項の源泉徴収の対象になります。
「相場」は法令の側に見当たらない
出張日当の相場としてよく引かれてきたのが、国家公務員の日当額です。これは国家公務員等の旅費に関する法律の別表が定めていたものでした。
令和6年法律第22号による改正法が2025年4月1日に施行され、現行の同法に日当の定額を定める規定はありません。同法6条は、旅費を「旅行に要する実費を弁償するためのものとして政令で定める種目及び内容に基づき、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合によつて計算する」ものとしています。国家公務員の旅費の側でも、定額の日当から実費の弁償へと組み立てが変わっています。
民間の調査機関が公表する出張旅費の統計は、通達9-3(2)がいう「同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額」を確かめる材料になります。ただしそれは法令上の基準ではなく、あくまで比較の材料です。
本ツールが扱っていない範囲
- 通勤手当(所得税法9条1項5号・施行令20条の2)。金額の限度額が政令にあり、確かめ方そのものが違います。
- 非常勤役員等の出勤のための費用(通達9-5)。常には出勤を要しない非常勤の役員・顧問・相談役や、国・地方公共団体の議員・委員等について、社会通念上合理的な理由があると認められる場合に支給されるもののうち出勤のために直接必要であると認められる部分に限り、第4号に掲げる金品に準じて扱うものとされています。第4号そのものの要件ではないため分けています。
- 災害地に派遣された職員の災害派遣手当(通達9-6)。
- 海外出張の在勤手当(所得税法9条1項7号)。国外で勤務する居住者が受ける在勤手当は、第4号ではなく第7号が扱い、こちらは「政令で定めるもの」と委任されています。
- 消費税の仕入税額控除(出張旅費等特例)。所得税の非課税とは別の制度で、根拠となる法令も違います。
- 社会保険料の算定基礎(報酬に含めるかどうか)。健康保険法・厚生年金保険法の側の話で、所得税法9条1項4号の範囲とは一致しません。
使うときの注意
- 入力値はブラウザの外に出ません。照合はすべてブラウザの中で行われ、入力した支給の実情が送信されることはありません。
- 本ツールが並べるのは、条文の文言・通達が挙げる勘案事項と、入力した申告です。旅行の目的・目的地・期間の長短・宿泊の要否・職務内容及び地位といった個別の事情の当てはめは、通達9-3が挙げる要素であり、入力した申告だけで代わりに確かめられるものではありません。
- 照合項目のうち、支給基準・基準の均衡・同業種同規模の他社との比較の3つは通達由来で、条文にはありません。条文の側の要求は、場面と「その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品」であることの2つです。
- 本ツールの最終確認日は2026年8月13日です。通達は改正されることがあり、9-3の勘案事項(1)の文言も2011年に改められています。
- 個別の支給額の取扱いは、顧問税理士や所轄の税務署への相談をおすすめします。
このツールは役に立ちましたか?
よくある質問
出張日当は、いくらまでなら非課税とされる範囲に収まりますか?
金額のしきい値は法令にありません。所得税法9条1項4号が定めるのは「その旅行について通常必要であると認められるもの」という範囲だけで、同じ9条1項でも第5号(通勤手当)が「政令で定めるもの」と委任して施行令20条の2に距離別の限度額を置いているのとは、条文の作りが違います。第4号に対応する政令はありません。金額に代わる手がかりは所得税基本通達9-3が置いており、旅行の目的・目的地・行路・期間の長短・宿泊の要否・旅行者の職務内容及び地位等からみて通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内か、を(1)支給基準の均衡と(2)同業種・同規模の他の使用者等との比較の2点を勘案して見るものとしています。本ツールはこの2点を照合項目にしており、金額を入力する欄を置いていないのはこのためです。
「出張日当の相場」を示した資料はありますか?
法令の側にはありません。かつては国家公務員等の旅費に関する法律の別表が日当の定額を定めており、民間の相場の目安として引かれてきましたが、令和6年法律第22号による改正法が2025年4月1日に施行され、現行の同法に日当の定額を定める規定はありません。同法6条は、旅費を「旅行に要する実費を弁償するためのものとして政令で定める種目及び内容に基づき」計算するものとしています。民間の調査機関が公表する出張旅費の統計は、通達9-3(2)がいう「同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額」を確かめる材料になりますが、法令上の基準ではありません。相場を示す数字が条文や政令に見当たらないのは、資料が不足しているからではなく、第4号がその形で書かれていないためです。
旅費規程がないと非課税とされる範囲から外れますか?
条文は旅費規程を求めていません。所得税法9条1項4号が定めるのは「その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの」であり、規程の有無に触れていません。ただし所得税基本通達9-3(1)は、通常必要と認められる範囲内かどうかの判定に当たって、支給額が「役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたもの」であるかどうかを勘案するものとしており、支給基準を定めていない場合はこの勘案事項を確かめる材料がないことになります。本ツールが支給基準を照合項目に置いているのは、この通達によるもので、条文の要求ではありません。
通常必要と認められる範囲を超える部分は、どの所得になりますか?
所得税基本通達9-4が旅行の区分ごとに定めています。給与所得を有する者が勤務する場所を離れて職務を遂行するためにした旅行と、転任に伴う転居のためにした旅行では給与所得、就職に伴う転居のためにした旅行では雑所得、退職に伴う転居のためにした旅行では退職所得の収入金額(総収入金額)に算入するものとされています。死亡による退職をした者の遺族がその転居のためにした旅行については、所得税法9条1項17号により非課税とされます。給与所得に算入される部分は、同法183条1項の源泉徴収の対象になります。
通勤手当も同じように照合できますか?
本ツールの対象外です。通勤手当は所得税法9条1項5号が扱い、非課税とされる部分は同号の委任を受けた所得税法施行令20条の2が、交通機関の運賃等の額(月額の上限つき)と、交通用具を使用する場合の片道の距離の区分ごとの月額で定めています。金額の定めがある第5号と、金額の定めがない第4号では、確かめ方そのものが違います。本ツールは第4号の旅費だけを扱います。
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