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請負と労働者供給の区分の照合
請負と労働者供給の区分の要件を照合
業務委託・請負の契約で働かせる形が労働者供給に当たるかどうかの分かれ目を、職業安定法施行規則4条2項の4要件と3項の定めに沿って条文つきで照合します。入力値は送信されません。
法律上の権利義務に争いや疑義があるなど、法的紛議が現に生じている案件や、生じることがほぼ避けられないと見込まれる案件には、本ツールをお使いいただけません。弁護士にご相談ください。
根拠条文・計算式
- 職業安定法施行規則 第4条(労働者供給の事業を行う者となる場合の要件) — https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40002000012#Mp-At_4
- 職業安定法 第4条第8項(労働者供給の定義) — https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141#Mp-Ch_1-At_4
- 職業安定法 第44条(労働者供給事業の禁止) — https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141#Mp-Ch_3_4-At_44
- 職業安定法 第45条(労働者供給事業の許可) — https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141#Mp-Ch_3_4-At_45
- 職業安定法 第64条(罰則) — https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141#Mp-Ch_5-At_64
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第2条(用語の意義) — https://laws.e-gov.go.jp/law/360AC0000000088#Mp-Ch_1-At_2
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 第40条の6(労働契約の申込みみなし) — https://laws.e-gov.go.jp/law/360AC0000000088#Mp-Ch_3-Se_3-At_40_6
計算式・照合基準
照合の基準: 職業安定法施行規則 第4条第2項各号(4要件)と同条第3項 第2項: 労働者を提供しこれを他人の指揮命令を受けて労働に従事させる者(労働者派遣事業を行う者を除く)は、契約の形式が請負契約であっても、各号の全てに該当する場合を除き、法第4条第8項の労働者供給の事業を行う者とする 1号 作業の完成についての財政上及び法律上の全ての責任 / 2号 作業に従事する労働者の指揮監督 / 3号 使用者として法律に規定された全ての義務 / 4号 自ら提供する機械・設備・器材・材料・資材の使用、又は企画・専門的な技術・専門的な経験を必要とする作業 第3項: 各号の全てに該当する場合であっても、故意に偽装されたものであって事業の真の目的が労働力の供給にあるときは、労働者供給の事業を行う者であることを免れることができない 関連: 職業安定法 第44条(労働者供給事業の禁止)・第64条第10号(罰則)/労働者派遣法 第40条の6第1項第5号(労働契約の申込みみなし)
- 最終確認日:
- 2026年8月23日
改正履歴(3件)
- 2022年10月1日: 雇用保険法等の一部を改正する法律(令和4年法律第12号)の施行で職業安定法4条の項が組み替えられ、労働者供給の定義は同条8項になった(改正前は7項)。あわせて職業安定法施行規則4条も改められ、4要件は1項から2項へ、故意に偽装された場合の定めは2項から3項へ移った。2026年8月23日に2019年4月1日施行の版と現行版の本文を取得して照合した
- 2026年4月1日: 職業安定法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第60号)が施行された。2026年8月23日に直前の版(2025年4月1日施行)の第4条を取得して現行版と照合したところ、本文の違いは無かった
- 2026年10月1日: 労働施策総合推進法等の改正の施行に伴う省令(令和8年厚生労働省令第18号)の施行日(2026年8月23日時点では施行前)。同日施行の版の第4条を取得して現行版と照合したところ、本文の違いは無かった
出典: e-Gov法令検索(デジタル庁)の法令データを加工して作成
本ツールは、法令の条文に基づく計算・照合の結果を情報として提供するものであり、法的助言ではありません。個別の事案への当てはめや最終的な判断は、弁護士・社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。法律上の権利義務に争いや疑義があるなど、法的紛議が現に生じている案件や、生じることがほぼ避けられないと見込まれる案件には、本ツールをご利用いただけません。掲載内容は最終確認日時点の法令に基づいており、その後の改正が反映されていない場合があります。
請負か労働者供給かは、契約書の題名では決まらない
職業安定法施行規則4条2項は、労働者を提供しこれを他人の指揮命令を受けて労働に従事させる者について、たとえその契約の形式が請負契約であつても、次の各号の全てに該当する場合を除き、法4条8項の規定による労働者供給の事業を行う者とする、と定めています。括弧書きで労働者派遣法2条3号に規定する労働者派遣事業を行う者が除かれているため、この項が向いているのは「派遣の許可を受けずに、請負や業務委託の形で人を働かせている場合」です。
つまり、条文は最初から書面の題名を手がかりにしない構成になっています。「業務委託契約書」「請負契約書」と書いてあることは、この条文の判断材料に入っていません。
職業安定法4条8項が定める「労働者供給」は、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣法2条1号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないとされています。労働者派遣は「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて」働かせることなので、雇用関係の有無が労働者供給との分かれ目になります。
条文が挙げる4つの要件
施行規則4条2項の各号は次のとおりです。本ツールはこの4つと、次の見出しで扱う3項の定めを照合します。
| 号 | 条文が挙げる要件 |
|---|---|
| 1号 | 作業の完成について事業主としての財政上及び法律上の全ての責任を負うものであること |
| 2号 | 作業に従事する労働者を、指揮監督するものであること |
| 3号 | 作業に従事する労働者に対し、使用者として法律に規定された全ての義務を負うものであること |
| 4号 | 自ら提供する機械、設備、器材(業務上必要なる簡易な工具を除く。)若しくはその作業に必要な材料、資材を使用し又は企画若しくは専門的な技術若しくは専門的な経験を必要とする作業を行うものであつて、単に肉体的な労働力を提供するものでないこと |
条文は「次の各号の全てに該当する場合を除き」と書いているので、4つはそろっていることが前提です。一方で4号だけは内部が「又は」でつながれており、機械・設備・器材や材料・資材を自ら提供する形と、企画や専門的な技術・専門的な経験を必要とする作業を行う形のどちらか一方で足ります。ソフトウェア開発や設計のように持ち込む設備が少ない業務でも、後者で成り立ち得る書き方になっています。
括弧書きの「業務上必要なる簡易な工具を除く」は見落としやすいところです。工具箱ひとつを持参して作業する形は、この号でいう機械・設備・器材には含まれません。
4つそろっても終わりではない — 3項の定め
施行規則4条3項は、前項の各号の全てに該当する場合であつても、それが法44条の規定に違反することを免れるため故意に偽装されたものであつて、その事業の真の目的が労働力の供給にあるときは、法4条8項の規定による労働者供給の事業を行う者であることを免れることができない、と定めています。
4要件を満たす形に書類を整えることと、3項を満たすことは別の話です。本ツールが4要件の照合とは別に「事業の真の目的」の項目を置いているのは、条文が2段構えになっているためです。なお3項は「前項の各号の全てに該当する場合」を前提にした定めなので、4要件のどれかが確認できていない状態では照合の前提を欠きます。そのときこの項目は「対象外」として並びます。
「4条1項の4要件」と書かれた資料は、2022年9月30日までの条文
解説記事や社内資料で「職業安定法施行規則4条1項の4要件」という表記を見かけますが、現行条文の4条1項は別の定めです。
| 時期 | 4要件 | 故意に偽装された場合 | 引用している法の項 |
|---|---|---|---|
| 〜2022年9月30日 | 4条1項各号 | 4条2項 | 法4条7項 |
| 2022年10月1日〜(現行) | 4条2項各号 | 4条3項 | 法4条8項 |
2022年10月1日に施行された雇用保険法等の一部を改正する法律(令和4年法律第12号)で職業安定法4条の項が組み替えられ、募集情報等提供に関する定義が加わったことに伴って、施行規則4条にも1項が入りました。その結果、4要件は1項から2項へ、3項の定めは2項から3項へ、それぞれ後ろにずれています。
古い項番号のまま社内規程や契約書のレビュー資料に書くと、現行条文では募集情報等提供の事業を行う者を定める項を指すことになります。本ツールの条文リンクと照合結果は、いずれも現行の項番号で表示しています。
受け入れる側にも条文が及ぶ
職業安定法44条は、45条に規定する場合を除くほか、何人も労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならないと定めています。禁じられているのは供給する側の事業だけではなく、受け入れて自らの指揮命令の下に働かせることも含まれます。45条は、労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けた場合に無料の労働者供給事業を行うことができるとする例外です。
44条に係る罰則は64条10号にあり、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金と定められています。
労働者派遣法の側にも、受け入れる側に向けた定めがあります。40条の6第1項5号は、同法等の規定の適用を免れる目的で請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、同法26条1項各号に掲げる事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受けた場合について、その時点における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなすと定めています。同項ただし書は、その行為が各号に該当することを知らず、知らなかったことに過失がなかったときはこの限りでないとしています。2項により、この申込みは行為が終了した日から1年を経過する日までの間は撤回できません。
使うときの注意
- 入力値はブラウザの外に出ません。回答はサーバーへ送信されません。
- 本ツールが示すのは、条文が挙げる要件と入力内容との照合結果です。個別の取引がどう扱われるかは、作業の実態や指示の流れを踏まえた行政・裁判所の判断によります。都道府県労働局の需給調整事業部(室)や、社会保険労務士・弁護士など専門家へのご相談をおすすめします。
- 照合の対象は、職業安定法施行規則4条2項各号と同条3項です。労働者派遣として行う場合に必要な派遣可能期間の管理は、派遣の抵触日計算で扱っています。
- 施行規則4条2項は「労働者を提供しこれを他人の指揮命令を受けて労働に従事させる者」について定めているため、受注者が労働者を雇用しておらず本人だけで作業する場合は、本ツールの照合の範囲に含めていません。
このツールは役に立ちましたか?
よくある質問
請負と労働者派遣・労働者供給は、条文のどこで分かれますか?
職業安定法4条8項は「労働者供給」を、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることと定め、労働者派遣法2条1号の労働者派遣に該当するものを含まないとしています。労働者派遣は、自己の雇用する労働者を、その雇用関係の下に、かつ他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいいます。請負契約の形式をとっていても、他人の指揮命令の下で働かせる形になっていれば、職業安定法施行規則4条2項が「各号の全てに該当する場合を除き」労働者供給の事業を行う者とすると定めています。
4つの要件は、どれか1つでも欠けるとどうなりますか?
条文は「次の各号の全てに該当する場合を除き」と書いており、4つの要件は全部そろっていることが前提になっています。本ツールでは、確認できた項目を「確認済み」、確認できなかった項目を「未確認」として並べます。個別の事案がどう扱われるかは行政や裁判所の判断によるため、本ツールは条文が挙げる要件と入力内容の照合だけを行います。
4つの要件をすべて満たしていれば、それで終わりですか?
職業安定法施行規則4条3項が、4要件のすべてに該当する場合であっても、故意に偽装されたものであって事業の真の目的が労働力の供給にあるときは、労働者供給の事業を行う者であることを免れることができないと定めています。書面の体裁だけを整えても、実態が労働力の供給であればこの項の対象になります。本ツールが4要件の照合とは別に「事業の真の目的」の項目を置いているのは、この定めがあるためです。
「職業安定法施行規則4条1項の4要件」と書かれた資料を見かけますが、違いますか?
2022年10月1日より前は、4要件は施行規則4条1項に置かれていました。同日に施行された雇用保険法等の一部を改正する法律(令和4年法律第12号)と関係省令により職業安定法4条の項が組み替えられ、施行規則4条も1項に別の定めが入って、4要件は2項へ、故意に偽装された場合の定めは2項から3項へ移りました。現行条文で「4条1項」を引くと、募集情報等提供の事業を行う者などを定める別の項を指すことになります。
労働者供給事業に当たると、どのような定めが働きますか?
職業安定法44条は、45条に規定する場合を除くほか、何人も労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならないと定めています。45条は、労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けた場合に無料の労働者供給事業を行うことができるとしています。44条に係る罰則は64条10号にあり、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金と定められています。
発注者(注文者)の側にも関係しますか?
職業安定法44条は、労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させることも併せて禁じているため、受け入れる側も条文の名あて人に含まれます。また労働者派遣法40条の6第1項5号は、同法等の規定の適用を免れる目的で請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、同法26条1項各号に掲げる事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受けた場合について、その時点で派遣労働者に労働契約の申込みをしたものとみなすと定めています。同項ただし書は、その行為が各号に該当することを知らず、知らなかったことに過失がなかったときはこの限りでないとしています。
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