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傷病手当金の計算
傷病手当金の計算
健康保険法99条2項の算定式(標準報酬月額の平均額の30分の1の3分の2)で傷病手当金の支給日額と支給額の合計を計算します。待期3日・支給期間通算1年6か月・事業主から報酬を受ける場合の差額(108条1項)にも対応。入力値は送信されません。
法律上の権利義務に争いや疑義があるなど、法的紛議が現に生じている案件や、生じることがほぼ避けられないと見込まれる案件には、本ツールをお使いいただけません。弁護士にご相談ください。
根拠条文・計算式
- 健康保険法 第99条第1項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070#Mp-Ch_4-Se_3-At_99
- 健康保険法 第99条第2項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070#Mp-Ch_4-Se_3-At_99
- 健康保険法 第99条第4項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070#Mp-Ch_4-Se_3-At_99
- 健康保険法 第108条第1項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070#Mp-Ch_4-Se_3-At_108
計算式・照合基準
支給日額 = 標準報酬月額の平均額 ÷ 30(10円未満四捨五入)× 2 ÷ 3(1円未満四捨五入) ★端数処理は二段階。30分の1にした時点で丸めてから3分の2を掛ける(順序を変えると額が変わる) 支給対象日数 = 労務に服することができなかった日数 − 待期3日(99条1項) 報酬を受けることができる場合 = 支給日額 − 報酬の1日あたりの額(108条1項ただし書。0を下回るときは支給されない) 支給期間 = 同一の傷病について通算1年6か月(99条4項。条文は日数を定めておらず、548日は本ツールの換算)
- 最終確認日:
- 2026年8月22日
改正履歴(2件)
- 2016年4月1日: 支給日額の算定を「支給開始日の標準報酬日額の3分の2」から「直近の継続した12か月の標準報酬月額の平均額の30分の1の3分の2」に変更
- 2022年1月1日: 支給期間が「支給を始めた日から起算して1年6月」から「支給を始めた日から通算して1年6月」に変更され、途中で就労した期間を除いて通算されるようになった(99条4項)
出典: e-Gov法令検索(デジタル庁)の法令データを加工して作成
本ツールは、法令の条文に基づく計算・照合の結果を情報として提供するものであり、法的助言ではありません。個別の事案への当てはめや最終的な判断は、弁護士・社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。法律上の権利義務に争いや疑義があるなど、法的紛議が現に生じている案件や、生じることがほぼ避けられないと見込まれる案件には、本ツールをご利用いただけません。掲載内容は最終確認日時点の法令に基づいており、その後の改正が反映されていない場合があります。
端数処理は二段階で、順序を変えると額が変わる
健康保険法99条2項は、支給日額の算定をこう書いています。
傷病手当金の額は、一日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した十二月間の各月の標準報酬月額(…)を平均した額の三十分の一に相当する額(その額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。)の三分の二に相当する金額(その金額に、五十銭未満の端数があるときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数があるときは、これを一円に切り上げるものとする。)とする。
丸めの指示が2か所に入っています。30分の1にした時点で10円単位に丸め、その丸めた額に3分の2を掛けてから1円単位に丸める、という順序です。
| 段 | 条文の書き方 | 実質 |
|---|---|---|
| 30分の1にした額 | 五円未満切捨て・五円以上十円未満切上げ | 10円未満四捨五入 |
| 3分の2にした額 | 五十銭未満切捨て・五十銭以上一円未満切上げ | 1円未満四捨五入 |
この順序は結果に効きます。標準報酬月額の平均額が26万円の場合、条文どおりに計算すると 260,000 ÷ 30 = 8,666.67 → 8,670 → × 2/3 = 5,780円 ですが、先に3分の2を掛けると 260,000 ÷ 30 × 2/3 = 5,777.8 → 5,778円 となり、2円ずれます。
平均するのは給与額ではなく標準報酬月額
99条2項が平均するのは「各月の標準報酬月額」です。標準報酬月額は健康保険法40条の等級表に報酬月額を当てはめて決まる額で、実際に支払われた給与額とは一致しません。保険者から届く標準報酬決定通知書、または給与明細の健康保険料から確認できます。
平均の対象は「支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月間」です。支給開始月そのものを含み、そこから遡って途切れずに続く12か月を見ます。
12か月に満たない場合を本ツールが扱わない理由
99条2項ただし書は、標準報酬月額が定められている月が12か月に満たない場合について、次の2つのうち少ないほうの3分の2とすると定めています。
- その期間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1
- 支給を始める日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を報酬月額とみなしたときの標準報酬月額の30分の1
2つ目の額は条文に書かれていません。「全被保険者」とは保険者ごとの全被保険者を指すため、この額は全国健康保険協会と各健康保険組合とで異なり、しかも年度ごとに変わります。本ツールは条文に書かれた数値だけで計算する作りなので、この場合は結果を出さず、加入している保険者への確認を案内しています。協会けんぽの場合は傷病手当金のページに額が掲載されています。
待期の3日と、支給期間の「通算」1年6か月
99条1項は「その労務に服することができなくなった日から起算して三日を経過した日から」支給すると定めており、最初の3日(待期)は支給の対象になりません。この3日は労務に服することができない状態が連続していることを要し、その3日には公休日・有給休暇の日も含めて数えるものとされています。
支給期間について、99条4項は「その支給を始めた日から通算して一年六月間」と定めています。2022年1月1日施行の改正でこの「通算」が入るまでは「起算して」であり、途中で就労した期間も期間の進行に含まれていました。現在は、傷病手当金が支給されなかった期間は通算されないため、暦の1年6か月とは一致しません。
条文は支給期間を日数で定めていません。本ツールが表示する548日は、1年6か月を目安の日数に換算したものです。実際に支給を受けられる残りの日数は、過去の支給実績を通算して保険者が管理しています。
会社から給与が出ている期間の扱い
健康保険法108条1項は、報酬の全部または一部を受けることができる期間は傷病手当金を支給しないとしたうえで、ただし書で「その受けることができる報酬の額が、第九十九条第二項の規定により算定される額より少ないときは、その差額を支給する」と定めています。本ツールの「事業主から受けることができる報酬(1日あたり)」に額を入れると、この差額を計算します。
なお同条3項以降は、障害厚生年金・障害手当金・老齢退職年金給付を受けられる場合の調整を定めていますが、調整額の算定が厚生労働省令に委ねられており入力の単位も変わるため、本ツールは扱っていません。
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よくある質問
待期の3日には、公休日や有給休暇の日も含みますか?
健康保険法99条1項は「労務に服することができなくなった日から起算して三日を経過した日から」支給すると定めており、待期は労務に服することができない状態が連続した3日であることを求めています。この3日は労務に服することができない状態であればよく、公休日・有給休暇の日も含めて数えるものとされています。
標準報酬月額の平均額とは、給与の平均額のことですか?
標準報酬月額は、報酬月額を健康保険法40条の等級表に当てはめて決まる額で、実際の給与額とは一致しません。99条2項が平均するのは、この標準報酬月額のうち支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月分です。保険証の交付元から届く標準報酬決定通知書、または給与明細の健康保険料から確認できます。
支給開始日以前の加入期間が12か月に満たない場合はどうなりますか?
健康保険法99条2項ただし書は、その期間の標準報酬月額を平均した額と、支給を始める日の属する年度の前年度9月30日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額のうち、低いほうを使うと定めています。後者の額は条文に書かれておらず、保険者(全国健康保険協会・各健康保険組合)ごとに年度ごとに公表されるため、本ツールでは扱っていません。加入している保険者にご確認ください。
会社から給与が出ている間も傷病手当金は受けられますか?
健康保険法108条1項は、報酬の全部または一部を受けることができる期間は傷病手当金を支給しないとしたうえで、ただし書で、受けることができる報酬の額が99条2項により算定される額より少ないときはその差額を支給すると定めています。本ツールは「事業主から受けることができる報酬(1日あたり)」を入力するとこの差額を計算します。
支給期間の「通算1年6か月」は、暦の1年6か月ですか?
2022年1月1日から、99条4項は「支給を始めた日から通算して一年六月間」と定めています。途中で就労して傷病手当金が支給されなかった期間はこの通算に含まれないため、暦の1年6か月とは一致しません。なお条文は日数を定めておらず、本ツールが表示する548日は目安のための換算です。実際に支給を受けられる残りの日数は保険者にご確認ください。
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