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在職老齢年金の計算
在職老齢年金の支給停止額の計算
厚生年金保険法46条1項の算式(総報酬月額相当額+基本月額-支給停止調整額の2分の1)で、働きながら受ける老齢厚生年金の支給停止額と支給される額を計算します。支給停止調整額は46条3項本文の額ではなく、政令が今年度について読み替えた額を使います。入力値は送信されません。
法律上の権利義務に争いや疑義があるなど、法的紛議が現に生じている案件や、生じることがほぼ避けられないと見込まれる案件には、本ツールをお使いいただけません。弁護士にご相談ください。
根拠条文・計算式
- 厚生年金保険法 第46条第1項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-Ch_3-Se_2-At_46
- 厚生年金保険法 第46条第3項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-Ch_3-Se_2-At_46
- 厚生年金保険法 第46条第4項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-Ch_3-Se_2-At_46
- 国民年金法による改定率の改定等に関する政令 第5条 — https://laws.e-gov.go.jp/law/417CO0000000092#Mp-At_5
- 厚生年金保険法 附則第11条 — https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#329AC0000000115-Sp-At_11
- 厚生年金保険法 第35条第1項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-Ch_3-Se_1-At_35
- 厚生年金保険法 第24条の4第1項 — https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115#Mp-Ch_2-Se_3-At_24_4
計算式・照合基準
総報酬月額相当額 = 標準報酬月額 + その月以前1年間の標準賞与額の総額 ÷ 12(46条1項) 基本月額 = 老齢厚生年金の額(加給年金額・繰下げの加算額を除く)÷ 12(46条1項) 支給停止基準額 = (総報酬月額相当額 + 基本月額 - 支給停止調整額)× 2分の1 × 12(合計額が支給停止調整額を超えるときに限る) ★支給停止調整額は46条3項本文の62万円ではなく、国民年金法による改定率の改定等に関する政令5条が令和8年度について読み替えた額を使う 65歳未満の特別支給の老齢厚生年金も、附則11条1項が同じ算式・同じ支給停止調整額を定める
- 最終確認日:
- 2026年8月23日
改正履歴(3件)
- 2022年4月1日: 令和2年法律第40号により、65歳未満の特別支給の老齢厚生年金の支給停止の基準(附則11条1項)が、それまでの28万円から46条3項の支給停止調整額と同一に引き上げられ、65歳以上と同じ扱いになった。これより前の資料にある「28万円」は現行の附則11条1項の基準ではない
- 2026年4月1日: 令和7年法律第74号により、46条3項本文の支給停止調整額が48万円から62万円へ、改定の起点となる年度が平成17年度から令和7年度へ改められた。★本文の額が変わっても、その年度に適用される額は46条4項により政令が定める点は変わらない
- 2026年10月1日: 令和7年法律第74号の未施行部分がこの日に施行される。★その版の46条を取得して現行版と照合し、1項・3項とも本文に違いが無いことを確認した(2026-08-23)。「未施行の改正がある」ことと「引いている条が動く」ことは別
出典: e-Gov法令検索(デジタル庁)の法令データを加工して作成
本ツールは、法令の条文に基づく計算・照合の結果を情報として提供するものであり、法的助言ではありません。個別の事案への当てはめや最終的な判断は、弁護士・社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。法律上の権利義務に争いや疑義があるなど、法的紛議が現に生じている案件や、生じることがほぼ避けられないと見込まれる案件には、本ツールをご利用いただけません。掲載内容は最終確認日時点の法令に基づいており、その後の改正が反映されていない場合があります。
条文に書かれた「六十二万円」は、今年度に適用される額ではない
在職老齢年金のしきい値は、厚生年金保険法46条3項が「第一項の支給停止調整額は、六十二万円とする」と定めています。ところが、この額をそのまま今年度の計算に使うことはできません。
同項にはただし書があり、この額に令和7年度以後の各年度の物価変動率に43条の2第1項2号の率を乗じて得た率を乗じた額が本則の額を超え、または下るに至った場合には、当該年度の4月以後の支給停止調整額をその額に改定すると定めています。そして46条4項が「前項ただし書の規定による支給停止調整額の改定の措置は、政令で定める」としています。
改定を行うのは「国民年金法による改定率の改定等に関する政令」で、その5条は次のように定めています。
令和八年度の四月以後の厚生年金保険法第四十六条第一項の支給停止調整額については、同条第三項本文中「六十二万円」とあるのは、「六十五万円」と読み替えて、同法の規定(他の法令において引用する場合を含む。)を適用する。
つまり、令和8年度(2026年4月から2027年3月まで)に適用される支給停止調整額は65万円です。46条3項だけを開くと62万円と書かれているため、条文リンクは正しいのに額が違う、という食い違いが起こります。本ツールが政令5条も根拠条文に並べているのはこのためです。
支給停止調整額の推移
| 時期 | 46条3項本文の額 | その年度に適用される額 |
|---|---|---|
| 〜2026年3月 | 48万円(起点は平成17年度) | 政令が毎年度読み替えた額 |
| 2026年4月〜 | 62万円(起点は令和7年度) | 65万円(令和8年度・政令5条) |
本文の額が48万円から62万円になったのは、令和7年法律第74号による2026年4月1日施行の改正です。本文の額が改まっても、その年度に適用される額を政令が定める構造は変わっていません。
停止される額の計算
46条1項は、次の2つを足した額が支給停止調整額を超えるときに、超えた額の2分の1に12を乗じた額(支給停止基準額)の支給を停止すると定めています。
- 総報酬月額相当額 — 標準報酬月額と、その月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算した額
- 基本月額 — 老齢厚生年金の額を12で除して得た額。44条1項の加給年金額と、44条の3第4項の繰下げの加算額はこの額から除かれます
条文は「超えるときは」と書いているので、合計額がちょうど支給停止調整額と同じ額のときは停止されません。
同項ただし書は、支給停止基準額が老齢厚生年金の額以上であるときは、老齢厚生年金の全部の支給を停止するものとしています。停止される額が年金額を上回ることはありません。
65歳未満の特別支給の老齢厚生年金も同じ額
65歳未満の特別支給の老齢厚生年金について支給停止を定めているのは、厚生年金保険法の附則11条1項です。この項はしきい値を「第四十六条第三項に規定する支給停止調整額」と書いており、算式も46条1項と同じです。
政令5条の読み替えが「同法の規定(他の法令において引用する場合を含む。)を適用する」と書かれているとおり、この読み替えは附則11条1項にも及びます。65歳の前後でしきい値は変わりません。
「65歳未満は28万円」と書かれた資料は、2022年3月31日までの附則11条1項のものです。 令和2年法律第40号により2022年4月1日から46条3項の支給停止調整額と同一になりました。古い基準のまま試算すると、停止されないはずの年金が停止されるという結果になります。
額を入れるときに間違えやすいところ
- 標準賞与額は、受けた賞与額そのものではありません。 24条の4第1項は、賞与額から千円未満の端数を切り捨てた額を標準賞与額とし、150万円を超えるときは150万円とすると定めています。
- 年金額には加給年金額を入れません。 46条1項が明文で除いています。「年金額改定通知書」に加給年金額が合算されている場合は、それを差し引いた額を入れてください。
- 老齢基礎年金は停止の対象ではありません。 46条1項が支給を停止すると定めているのは老齢厚生年金です。
使うときの注意
- 入力値はブラウザの外に出ません。入力内容はサーバーへ送信されません。
- 本ツールが計算するのは、条文に書かれた算式と、政令が今年度について定めた額による目安です。実際に支給される額は、記録されている標準報酬月額や被保険者資格の期間によって決まります。日本年金機構またはお近くの年金事務所にご確認ください。
- 46条1項の括弧書きは、国会議員・地方公共団体の議会の議員について、総報酬月額相当額の基礎となる額を政令で定めるものとしています。その額は条文に書かれていないため、本ツールでは扱っていません。
- 総報酬月額相当額と基本月額の端数処理は条文に定めがありません。本ツールは丸めずに計算し、表示のときだけ1円未満を切り捨てています。
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よくある質問
支給停止調整額は62万円ではないのですか?
厚生年金保険法46条3項の本文は「第一項の支給停止調整額は、六十二万円とする」と定めていますが、同項ただし書が毎年度の改定を定め、46条4項が「前項ただし書の規定による支給停止調整額の改定の措置は、政令で定める」としています。国民年金法による改定率の改定等に関する政令5条は「令和八年度の四月以後の厚生年金保険法第四十六条第一項の支給停止調整額については、同条第三項本文中「六十二万円」とあるのは、「六十五万円」と読み替えて、同法の規定(他の法令において引用する場合を含む。)を適用する」と定めており、令和8年度に適用される額はこの読み替え後の額です。46条3項の本文だけを見ると、その年度に適用される額とは異なる額を読むことになります。
65歳未満と65歳以上で基準は違いますか?
現行の条文では同じです。65歳未満の特別支給の老齢厚生年金について支給停止を定める附則11条1項は、しきい値を「第四十六条第三項に規定する支給停止調整額」と書いており、算式も46条1項と同一です。国民年金法による改定率の改定等に関する政令5条の読み替えは「同法の規定(他の法令において引用する場合を含む。)」に及ぶため、附則11条1項の支給停止調整額も同じ額になります。65歳未満だけ28万円という基準は、令和2年法律第40号(2022年4月1日施行)より前の附則11条1項のものです。
加給年金額は計算に入れますか?
46条1項は、基本月額の基礎となる老齢厚生年金の額について「第四十四条第一項に規定する加給年金額及び第四十四条の三第四項に規定する加算額を除く」と明文で定めています。本ツールもこれらを除いた額を入力していただく形にしています。なお同項ただし書が全部の支給を停止する場合について「同条第四項に規定する加算額を除く」としているとおり、全部停止のときの取り扱いは条文が別に定めており、本ツールは扱っていません。
老齢基礎年金も停止されますか?
厚生年金保険法46条1項が支給を停止すると定めているのは老齢厚生年金であって、国民年金法による老齢基礎年金ではありません。本ツールが計算するのも老齢厚生年金の額だけです。
総報酬月額相当額に1円未満の端数が出たときはどうなりますか?
46条1項は「標準報酬月額とその月以前の一年間の標準賞与額の総額を十二で除して得た額とを合算して得た額」としか定めておらず、端数処理の定めを置いていません。35条1項が端数を処理すると定めているのは「保険給付の額」なので、比較の一方であるこの額には掛かりません。本ツールは総報酬月額相当額と基本月額を丸めずに計算し、表示のときだけ1円未満を切り捨てています。実際の支給額は日本年金機構にご確認ください。
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